エボラ・ウイルスとは?
エボラはフィロウイルス科、エボラウイルス属のウイルスの感染によって引き起こされます。5つの識別されているエボラウイルス種の中で、人間に病気を引き起こすことが知られている4つのエボラウイルス種があります:エボラウイルス(ザイール・エボラウイルス)、スーダン・ウイルス(スーダン・エボラウイルス); タイフォレスト・ウイルス(タイフォレスト・エボラウイルス)、Bundibugyo ウイルス(Bundibugyo エボラ・ウイルス)です。五番目のレストン・ウイルス(レストン・エボラウイルス)は、人間ではなく、人間以外の霊長類に病気を引き起こします。
エボラ感染のいきさつ
エボラウイルスを保有している天然宿主がまだ明らかになっていないので、この殺人ウイルスがどのように人間にうつされたかは、わかっていません。研究者たちは、最初の患者は、感染した動物との接触によって感染したのだ、と考えています。
2005年12月1日付の英科学誌「ネイチャー」にて、ガボンのフランスビル国際医学研究センターなどのチームの調査によると、 オオコウモリ科のウマヅラコウモリ、コクビワ・フルーツコウモリ等が、エボラウイルスの天然の宿主と推定され、現地のフルーツ・バットなどの食用コウモリからの感染が研究論文で発表されています。
人々の間で感染が起こった場合、この殺人ウイルスは、他のいくつかの方法で広がることができます。エボラは、例えば、目、鼻、口、や、皮膚の傷口や内粘膜から、患者の血液や体液、医療器具、感染動物に直接接触することによって、感染して広がってゆきます。
? エボラにかかっている人の血液や体液(尿、唾液、汗、便、嘔吐物、母乳、精液など)
? ウイルスに汚染されている、針や注射器のようなもの
? コウモリやサルなどの感染動物
患者の死に際が一番感染力が高く、その人の出血、嘔吐が、私たちの皮膚の傷口、目、鼻や口から入れば別ですが、感染初期の人が近くにいるだけでは感染しないでしょう。しかし、死亡した患者からは感染してしまいます。エボラが猛威を振るっている西アフリカの一部の地方では、遺体を洗って土葬するという習慣があります。遺体の処理も気を付けないとそこからも感染の恐れがあります。
エボラウイルスの感染力は強いものの、基本的に、一部のインフルエンザのように空気感染をせず、感染者の体液や血液に触れなければ大丈夫と考えられています。エボラは、また、水によって、食品によって感染しません。しかし、西アフリカでは、エボラは、感染したサルなどの野生動物の肉(食用に狩猟された野生動物)を食べたり、感染したコウモリとの接触によって拡散されているかもしれません。エボラに感染したゴリラやチンパンジーの死体からも感染する可能性があるそうです。
蚊やその他の昆虫がエボラウイルスをまき散らすという証拠はありません。エボラウイルスは、例えば、ヒト、サル、類人猿、コウモリなどの哺乳動物にだけに感染し、広がることができると分かっています。
アフリカでのように、患者を自宅で介護している家族や友人は、密接にエボラ患者に接するので、感染した血液や体液に接触するかもしれず、エボラ出血熱にかかってしまうリスクが最も高いです。
エボラが大流行している時は、この殺人ウイルスは、例えば、診療所や病院などの医療環境内で急速に拡散することができます。医療現場では、マスク、目の保護をするゴーグル、ガウン、手袋など、適切な防護服を着用していない病院スタッフが、エボラウイルスに曝露してしまいます。